NYのブレンダーが惚れ込んだ、日本と紅茶の話 │ NYのマスターティーブレンダー、エメリックの日本滞在記

お茶を楽しむことに、正解はあるのでしょうか。 

HARNEY & SONS のマスターティーブレンダー、エメリックは、そんな問いを携えるように、今春また日本にやってきました。 

ニューヨークで生まれたブランドが、日本でお茶の文化と向き合うとき。そこには、優劣でも模倣でもなく、ただ「おいしく、楽しく」という、ひとつの共通言語があります。エメリックにとって、日本はよく知る土地です。何度も訪れ、その空気に親しんできました。今回も東京から横浜、名古屋、京都、大阪へと各地をめぐりながら、日本のお茶のある場所を自ら訪ね歩きました。 

 

余韻を大切にする国で 

日本には、「間(ま)」という感覚があります。音と音のあいだ、言葉と言葉のあいだに宿る静けさを、美しいと感じる文化です。お茶を飲む時間にも、その感覚は流れています。一口飲んで、少し置いて、またゆっくりと向き合う。その余白こそが、お茶の時間を特別にするのだと思います。 

HARNEY & SONS が日本でお茶を届けたいと願うのも、その余韻をともに楽しみたいからです。アメリカにはアメリカのお茶の楽しみ方があり、日本には日本の楽しみ方がある。どちらが正しいかではなく、それぞれの文化の中でおいしく飲まれること。そのことを、私たちは大切にしています。 

 

パートナーたちのもとへ 

東京では、代官山の Anjin、そして TRUNK(HOTEL) CAT STREET を訪ねました。どちらも、食・空間・文化へのこだわりが研ぎ澄まされた場所です。そこにお茶が選ばれていることに、HARNEY & SONS らしさを感じます。 

Anjin はエメリックにとって、今回が初訪問ではありませんでした。2012年、開店まもなかった頃にも足を運んでいたことが、その場で発覚。スマートフォンの中に残っていた14年前の写真を、担当の大西様にその場でお見せする一幕も。言葉より雄弁に、長い縁を感じさせる瞬間でした。 

そして、ラルフズ コーヒー 表参道(Ralph's Coffee)へも。昨年11月より、店舗で提供する紅茶をすべて HARNEY & SONS に切り替えていただいています。同じニューヨーク出身のブランドとして自然に生まれた縁は、今回の訪問でさらに深まりました。通常は仕入れ先を公表しないラルフズ コーヒーが、今回特別に記事への掲載を承諾してくださったことも、ブランドへの信頼の表れだと感じています。 

横浜では、ヒルトン横浜へ。上質なホテルの時間の中に HARNEY & SONS のお茶を置いてくださっている、大切なパートナーです。訪問の場では、ブランドへの深い理解と敬意が随所に伝わりました。お茶を通じて、ここでしか生まれない時間がある。そう感じさせてくれる場所です。 

大阪では大阪マリオット都ホテルへ。上質なホテルステイの中に、HARNEY & SONS の紅茶がある。そんな場所がまた一つ、日本に増えています。

訪問した先々で感じたのは、お互いへの深いリスペクトでした。パートナーの皆さんは、HARNEY & SONS のブランドが持つ意図を丁寧に汲み取り、それぞれの場所でお茶の価値を届けてくださっています。エメリック自身も、日本のパートナーたちのこだわりと誠実さに、心から敬意を感じていました。ブランドの思いを大切に扱ってくれる場所がある。その事実が、日本での活動をより豊かなものにしてくれています。 

※ 訪問先:Anjin、TRUNK(KITCHEN)、ヒルトン横浜、ラルフズ コーヒー 表参道(Ralph's Coffee)、大阪マリオット都ホテル 

 

各地でお客さまと、お茶を飲みました 

二子玉川、名古屋髙島屋、そして HARNEY & SONS Tea Salon(KITTE大阪)では、お客さまと直接お茶を飲む時間を設けました。目の前でブレンダー本人がお茶を語り、一緒に味わう。なかなか体験できない、特別な時間となりました。  

名古屋髙島屋では、新設されたばかりの角打ちスペースでの開催となりました。メーカーによる初のイベントでしたが、開催中には他メーカーのスタッフが続々と見学に訪れるほど、注目を集める場となりました。  

東から西へ。それぞれの土地で、それぞれのお茶の飲まれ方がある。エメリックはその違いを楽しむように、各地を移動しました。 

 

東京の本社で、社員と話したこと 

東京の本社では、日本のスタッフとミーティングを行いました。ブランドの方向性、日本市場でのあり方、さまざまなテーマが語られました。 

エメリックが今まで手がけた中で、最も自信を持って薦める商品を尋ねると、即座に『SOHO』と答えました。ニューヨークのSOHO周辺はチョコレートショップが軒を連ねるエリア。そのロケーションから着想を得てブレンドした、思い入れの深い一品だと言います。お気に入りの場所の記憶が、一杯のお茶になる。そんなブレンダーの仕事を、少しだけ覗いた気がしました。 

その中で、ひとつの問いが場を静かにしました。 

「他のブランドとの違いは何ですか」。 

 

「差別化は意識していない。 ただ、おいしいお茶を飲みたい、 お茶を楽しみたい、という気持ちだけで 作っているよ。」 

 

エメリックの答えは、静かで、迷いがありませんでした。マーケティングの言葉でも、競合分析の結論でもない。ただ、お茶が好きだという話でした。 

この一言の中に、HARNEY & SONS というブランドのすべてがあります。 

 

エメリックの言葉

日本から帰国するのはいつも寂しいものです。日本を訪れたことのある方なら、きっとこの気持ちがわかるでしょう。日本での食事、お辞儀一つに現れる日本の文化、静けさ、そして人々が会話や街中でお互いに対し余裕がある空間をつくる様子。今回の旅は、私にとってかけがえのない宝物となりました。  

旅の途中で訪れたパートナーの皆様に感謝申し上げます。皆様は、私たちがニューヨークで作った紅茶製品を、日本で大切に育ててくださり、その温かい心遣いに深く感動しました。このような愛情深い対応は、ブランドがお金で買えるものではありません。努力の積み重ねによってのみ得られるものであり、私たちはそれを実感しています。  

必ずまた戻ってきます。その日まで、今回の旅を素晴らしいものにしてくださった皆様一人一人に、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。 

 

Coming back from Japan is always difficult. I think anyone who has visited Japan knows the feeling. The bowls, the bows, the quiet, the way people make space for each other in conversation and on the street. This trip gave me a great deal to hold onto. 

I want to thank the partners we visited along the way. Each of you has taken something we make in New York and given it a home in Japan, with care that I find genuinely moving. That kind of stewardship is not something a brand can buy. It can only be earned, and we feel it. 

I will be back. Until then, my thanks to everyone who made this trip what it was. ありがとうございました。 

Emeric Harney

— Emeric Harney, Master Tea Blender, HARNEY & SONS 

 

旅は終わりました。でも、エメリックがこの国で飲んだお茶の記憶は、きっと次のブレンドのどこかに生きているはずです。 

日本で HARNEY & SONS のお茶を手に取ってくださる方々のことを、ニューヨークの誰かが思いながら作っている。その事実が、一杯のお茶を少しだけ特別にするのかもしれません。 

あなたの一杯を、探してみてください。 

HARNEY & SONS が届ける、世界中から選び抜かれた紅茶をご覧ください。 

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